足の親指の付け根に、激しい痛みが起こる。
足の甲や足関節、膝関節、手の関節、肩関節などに痛みが出る。
風が吹いただけでも痛いということから「通風」という病名がつきました。
痛みは発作的に起こり、しばらくすると治まります。この、痛みの発作(痛風発作)と鎮静を繰り返しながら症状が悪化し、関節の腫れがひどくなったり痛風腎(腎臓に尿酸の結晶が固まり、腎機能が低下。排尿が正常に行えなくなる)になったり、腎臓結石、尿管結石などを併発したりします。腎臓や尿管の結石も、耐えがたい激しい痛みが襲います。
20歳以上の男性に多い病気です。
プリン体の過剰摂取、過剰生成や排泄不全が原因です。
不要なプリン体は、通常、分解されて尿酸(プリン体代謝の最終産物)となり、尿や便とともに排泄されるものですが、プリン体が過剰に作られたり尿酸が十分に排泄できなかったりすると、体内の尿酸の量が増えていきます。この、過剰な尿酸が結晶化して体の関節にたまり、炎症を引き起こすことで腫れや激しい痛みが生じるのです。
プリン体は、多くの人が悪いイメージを持っていますが、生物の細胞の中に含まれる遺伝子の構成成分で、運動したり臓器を動かすなど生命活動には絶対に必要な物質です。
人は、日頃の食事を通してプリン体を摂取していますが、実は、プリン体の8割(1日に約500mg)は体内で生成されており、飲食で摂っていいのは必要量の2割ということになります。
そのため、高尿酸血症(痛風)の多くは、プリン体を多く含む肉などの過食、アルコール飲料、甘い清涼飲料水の飲み過ぎ、激しい運動をする、水分を摂らない、ストレスを抱えている人に発症しています。
高尿酸血症の治療法の基本は食事療法です。とくにプリン体を多く含む食べ物を減らすことと、アルコールを多飲している人はその量を減らすことが大事です。また、日頃から水分をひんぱんに摂ることで尿酸の濃度を薄めることができます。
運動療法については、きつい運動をするとタンパク質が壊れて、かえって尿酸値を上げてしまうため、弱めの運動を行うようにします。
食事療法、運動療法で状態が改善されないときは、薬物療法を行います。