実施場所
性別 タイプ
年齢

治験モニターの休薬期間

続けて、または複数掛け持ちの治験モニターにはなれません

たとえば、医薬品の投与で、2週間毎日通院した場合、謝礼金は約25万円になります。入院タイプで見てみると、外出不可という制限付きで1カ月治験入院すれば約50万円が支払われます。
いつもの生活に一定の制限がかかることを除けば、何もしなくても高額の謝礼金が入る治験モニター。そのため、繰り返し治験モニターになれば、楽に生活ができる、と思う人もいるでしょう。

残念ながら、連続して治験モニターなることは禁止されています。

治験に応募する際、応募条件として年齢や性別、健康状態などが問われますが注意事項には、必ず「前回の治験参加から一定の休薬期間が経過していること」と書かれています。治験に参加する場合は、休薬期間が過ぎているかどうかが重要になるため、しっかり確認をしておきましょう。

休薬期間は4カ月、その理由は?

治験モニターは、一度参加したらその後4カ月の休薬期間を設けなくてはならないという決まりがあります。
前回の治験によって投与された薬の影響を体内から完全に排出するには約4カ月が必要だからです。
もし、体内に薬が残ったまま、次の治験に参加したら・・・。

・健康を損なう可能性がある

薬の投与における注意点の一つは「飲み合わせ」です。ふだん使っている薬でも、複数の薬を(風邪薬と痛み止めを同時に飲むなど)同時に飲んだら、薬の効果が強くなりすぎたり、逆に弱くなったりということが起こります。
治験においても同様で、体内に残っている前回の薬と、新たな薬の飲み合わせによっては、健康に重篤な影響が出る可能性もあります。

また、治験中に副作用が起こった場合、前回の薬の影響なのか、今回の薬の影響なのかを特定するために時間がかかり、適切な処置を素早く行えないというリスクが生じることもあります。

・正確なデータ収集のさまたげに

長い時間をかけて重ねてきた基礎研究や動物実験によって、新薬の効果や副作用を予測していても、別の薬が体内に残っている治験モニターに投与した場合は、本来得られるはずの結果が出なかったり、悪くすれば予想外の健康被害が出る事態にも。
イレギュラーなデータの発生で、新薬の効果や副作用に関する正確なデータの収集が困難になり、認可が遅れる原因になったり、信頼性を損なったりという可能性も出てきます。

休薬期間中に他の治験に参加したらどうなる?

治験終了後に、参加者が休薬期間の途中であったことが分かった場合は、治験が求める本来の応募条件を満たしていないことになるため、もらえるはずの謝礼金は減額に。
治験を実施する機関からは悪質なモニターとしてマークされ、今後の参加ができなくなる場合もあります。
さらに、新薬の開発の遅れなど経済的損失につながった場合は、莫大な損失に対する損害賠償を請求されることも考えられます。治験の目的をきちんと認識し、適切な休薬期間をとってから次の治験に参加するようにしましょう。

休薬期間中の治験参加を防ぐ「取り組み」

人の生命にかかわる薬の臨床試験が、適正にすみやかに行えるよう、また治験に参加するモニターの安全確保を目ざして、「臨床試験受託事業協会」と治験実施医療機関が連携して休薬期間中の治験参加防止に対応しています。
臨床試験受託事業協会が管理している「被験者照合システム」を使えば、治験モニター(被験者)の登録情報に重複がないかを瞬時に確認できるため、治験モニターが休薬期間を偽ることはできません。治験を実施している医療機関の多くは、この臨床試験受託事業協会に加盟しています。