とくに、これといった自覚症状はないが、最近太ってきた。血圧が高い、血糖値や中性脂肪値が高いと健診で注意された。こんな異常が現れたら、病気を疑う判断基準になります。
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型の肥満に高血圧、脂質異常、高血糖などの異常が重なって、将来的には心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクが高まっている状態をいいます。
日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm、女性90cm以上で(内臓脂肪の蓄積)、かつ、血圧・脂質・血糖の3つのうち2つ以上が基準値からはずれると「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と診断されます。1つでも該当すれば予備軍とされています。
内臓に脂肪がたまることが一番の要因です。
現代の生活は、デスクワーク中心の仕事、車での移動がほとんどのため、運動不足になる人が増えています。さらに不適切な食事習慣(カロリー・塩分・脂肪の過剰摂取)から肥満、とくに内臓脂肪型の肥満の人が増加(そのため、肥満の人でも内臓脂肪がたまっていなければメタボリックシンドロームとは診断されません)。
内臓に脂肪がたまると悪玉因子がつくられて、血糖値を下げる働きを持つインスリンがうまく作用しなくなり、高血糖や脂質異常症、高血圧を引き起こしやすくなります。この状態が続けば、糖尿病、心筋梗塞などの動脈硬化性の疾患にかかりやすくなるのです。
最近では、肝臓などの臓器に脂肪が蓄積されることも、メタボリックシンドロームの原因になると考えられています。
内臓脂肪を減らすことが最重要。
生活習慣の改善によって、内臓脂肪の減少をめざします。
食事面では腹八分目を実行。間食をやめ、食物繊維をとることなどを意識します。炭水化物、タンパク質、脂肪の量と質を考えて米、野菜、肉、魚などをバランス良く食べるようにします。
運動面では、ややきつい程度のウォーキングやサイクリング、ストレッチなどを取り入れます。運動によってインスリンの働きを良くし、基礎代謝の向上、血圧の低下、中性脂肪やコレステロール値の改善をめざします。
メタボリックシンドロームを予防するには、毎日の生活の中で、バランスのとれた食事と適度な運動を意識することが大切です。喫煙や過度の飲酒は厳禁です。