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前立腺肥大症

■こんな症状があったら!

夜中に何回もトレイに起きる(夜間頻尿)。尿の勢いがなくなった。排尿をした後もまだ残尿感がある。排尿の回数が増えた(頻尿)。おなかに力を入れないと排尿できない。
前立腺肥大症にみられる症状には、ほかにも「排尿に時間がかかり、尿が完全に出きらない」、「急に尿をしたくなり、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)」というものがあります。

「前立腺」とは、男性のみに存在する生殖器のことで、膀胱の真下にあり、尿道を取り囲むかたちで存在しています。前立腺肥大症になると、通常はクルミほどの大きさの前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を起こします。
尿を出すことに関連する排尿症状、尿をためることに関連する蓄尿症状、尿を出した後の排尿後症状があり、第1期、第2期、第3期と、進行度合いによって症状が異なります。
1頻尿、特に夜間の頻尿が現れ、尿がなかなか出始めない。尿の勢いが弱くなる。
2 排尿困難の症状が強くなり、おなかに力を入れないと尿が出ない。残尿が発生(150mlまで)。排尿してもまだスッキリしない。
3 トイレに行く回数がさらに増え、排尿にかかる時間も長くなる。悪化すると自分の力では排尿できなくなり、残尿で膀胱がいっぱいになる。切迫性尿失禁の症状も見られる。

■原因は?

男性の「更年期障害」とも言われる前立腺肥大症。前立腺がなぜ肥大するかは、今の段階でははっきりと解明されていません。ただ、50歳頃を起点として、年齢が上がるにつれて患者数が増えていることから、加齢によって男性ホルモンの働きに変化が生じ、性ホルモン全体のバランスが変わることが原因ではないかと考えられています。
また、肥満や高血圧、高血糖、脂質異常症、メタボリック症候群といった生活習慣病との関連性を指摘する意見もあります。
日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状が見られます。

■治療法は?

症状が軽い場合は、まず薬物療法で様子を見ます。前立腺や尿道の筋肉を緩めて尿の通りを良くするアルファ1遮断薬、男性ホルモンの働きを抑えて肥大した前立腺を小さくする抗男性ホルモン薬、前立腺の炎症を鎮める漢方薬や植物エキス製剤があります。
一方、薬の効果があまり見られない中等症から重症の場合は、手術を行います。尿道から内視鏡を入れ、肥大した前立腺を電気メスで取り除く方法、開腹手術、内視鏡とレーザーを使う方法、狭くなった尿道にステントと呼ばれる管を入れる方法などがあり、症状の程度や患者の年齢、希望に合わせて適切なものを選択します。
なお、前立腺の肥大はあるものの特に症状や合併症が見られない場合は、早急な治療は行わず、定期的な経過観察で様子を見ていきます。