ちょっと息切れするけど、年のせいだし。体調はイマイチだけど、そのうち治るかな。
自覚症状がほとんどなく進行して、重篤な病気のリスクにつながる可能性がある生活習慣病。糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)に代表される生活習慣病は、その名のとおり、生活習慣が原因で起こる病気の総称です。
もともとは成人病と呼ばれていましたが、食生活や睡眠、運動といった生活習慣が原因で発症することや、成人だけがかかる病気ではないことから「生活習慣病」と改称されました。
ほかにも、脳血管疾患、心疾患、がん、肝臓疾患、慢性閉塞性肺疾患、貧血、痛風などが生活習慣病の代表的なものです。
また近年、大きな問題となっているのが生活習慣病の若年化・・・10代のうちに発症する「小児生活習慣病」です。運動不足や食事の偏りなどが大きく影響しているとされており、とくに小さい頃から肥満傾向にある子どもはリスクが高くなります。
生活習慣病に大きく影響するのが、食生活の乱れです。欧米型食生活への移行からくる栄養バランスの偏りや不規則な食習慣が、病気になるリスクを高めています。たとえば、塩分の多い食事が続けば高血圧を招きます。糖分摂取が多いと糖尿病に、ジャンクフードやインスタント食品が続けば栄養バランスが崩れて、健康を維持するのは難しくなります。
さらに、自動車の普及などによる運動不足の加速、過重労働やストレスによる睡眠不足やその質の低下なども生活習慣病のリスクとなります。
生活習慣病は、早めの対策で悪化を予防することができます。
また、すでに生活習慣病と診断されている場合でも、生活習慣を見直すことで症状改善の可能性があります。
治療は、血圧の「管理目標値」を目安に、薬の処方や生活習慣改善のためのアドバイスを行います。
塩分や糖分の取りすぎに注意し、魚や野菜を増やすことも意識して、まずは規則正しく3食を摂ることから始めます。また、早食いは肥満につながりやすいため、しっかり噛みながら20~30分かけて食事をとるようにします。
自律神経を整えながら、ストレス解消もできるのが運動です。とはいえハードすぎる運動はかえって不調を招きます。日頃から散歩や早歩き、乗り物やエレベーターを使わずに歩くことを意識して体を動かすようにします。
喫煙やアルコールを控え、しっかりと睡眠をとること、ストレスをためないことも大切です。