ちょっと前に何をしていたかが思い出せない。人と約束したことをしょっちゅう忘れる。覚えていた人の名前やモノの名前が思い出せない(記憶障害)。
自分がどこにいるのか、場所や状況、年月日や周囲の人との関係性などが分からなくなる(見当障害)。
料理の手順が分からない、季節に合わせた洋服のコーディネートができない、善悪の区別がつかなくなる(判断能力の低下)。
「認知症」は、病名ではなく、知能や知覚に代表される「認知機能」の障害によって、社会生活に支障をきたす状態のことです。その要因にはさまざまなものがありますが「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」もその一つ。
認知症を引き起こす原因のうち、現在、日本で最も割合が多く、6割以上がアルツハイマー病だと言われています。
他の原因としては血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。
脳の中にβアミロイド(タンパク質の一種)が蓄積することで、脳細胞が壊れて死んでしまい、脳の働きを低下させたり脳萎縮を進行させたりするのが原因とされています。
βアミロイドは加齢によって増えやすくなるため、高齢者が発症することが多いものの、30~50代の若い人に発症が見られることも(若年性アルツハイマー型認知症)あります。その場合は遺伝が関係しているとみられています。
いまはまだ研究途中ですが、生活習慣を改善することで発症率に差があるとのことから、健康的な生活で病気を予防することが最重要ではないかと考えられています。
男性よりも女性に発症が多いアルツハイマー型認知症。完治させる治療法はまだ出てきていませんが、抗認知症薬で症状の進行を抑えることはできます。
また予防につとめることが最重要で、食生活の改善や運動によって脳を健康な状態に保つこと、頭を使うこと、趣味を楽しんだり人とのコミュニケーションをとったりすることも大切です。